飲むだけで痩せる漢方は、ない。ダイエット相談で先生が「漢方はおまけ」と言い切った理由

「漢方で痩せるって、ネットで見たんです」。店頭でそう言われたとき、「痩せる漢方」をそのまま出しますか❓️それとも、生活の話から始めますか❓️
薬剤師・登録販売者として、中医学を仕事にしたい。そう考えている方にとって、「痩せたい」の裏にある生活を読み解く力は、大きな強みになります。中医学には、肥満を6つのタイプに分けて考える見方があります。
中医学キャリアスキルラボのタカヨシィ先生講座で、「臨床各論・肥満」をテーマにした講義が行われました。
肥満と肥満症の違いから、実際のダイエット相談を題材にした症例検討まで。受講生同士で弁証を考えるワークショップです。今回は、講義の内容と受講生の声をご紹介します。
⚖️ 「肥満」と「肥満症」は、同じではない
昔の中国では、太っていることは富の象徴でした。「肥貴人」と呼ばれ、病気とはみなされていませんでした。
現代医学では、はっきり分けます。脂肪はついているが検査に異常がなく元気なのが「肥満」。糖尿病や高血圧、睡眠時無呼吸などを伴うのが「肥満症」です。
中医学では、肥満を6つのタイプで考えます。
- 食べすぎで湿がたまる「痰湿」
- 胃腸が弱って代謝が落ちる「脾気虚」
- 血の巡りが悪い「血癀」
- ストレスでやけ食いする「肝気鬱結」
- 湿が熱を帯びた「肝胆湿熱」
- 加齢で水分代謝が衰える「腎虚」
同じ「太った」でも、原因が違えば処方も養生も変わります。
そして、もうひとつ。飲むだけで痩せる漢方は、ありません。運動や食事、生活習慣の見直しがあって初めて、漢方薬が活きます。
🍺 「痩せない」の裏にあった、週末のビール3リットル
題材になったのは、20代の女性。「自分でダイエットしても痩せない。漢方で痩せるとネットで見た。肌荒れも治したい」。これが来店のきっかけでした。
問診票だけを見ると、足のむくみに冷え、疲れやすさ。ところが受講生が問診を進めると、生活の「闇」が次々と見えてきます。
朝はダイエットのためにプロテインだけ。昼はコンビニ。夜は居酒屋のアルバイトで、夕食は深夜1時。デトックスのつもりで、氷入りの水やアイスコーヒーを1日2〜3リットル。平日我慢した反動で、週末はビールを3リットル。睡眠は4〜5時間。
問診の途中、チャットは「ビール3リットルはやばい」「まずは生活のすり合わせが必要」と大盛り上がり。問診票だけでは、絶対に分からないことが、そこにありました。
さらに、数字で見るとこの方は標準体型。無理に体重を落とせば、かえって体を壊します。だから目標を「体重を減らす」から「むくみと冷えを整える」に置き直しました。
📈 漢方は「おまけ」。主役は、体重グラフの「言い訳欄」
タカヨシィ先生が選んだ処方は、たったひとつ。しかも「おまけ」だと言います。主役は、養生です。
✅️朝のプロテインを、温かい味噌汁に
✅️喉が渇いていないなら、無理に飲まない
✅️週末のビールを控える
✅️睡眠。
睡眠不足は食欲を増やすホルモンを増やし、満腹ホルモンを減らします。ダイエットで最優先なのは、実は睡眠です。
もうひとつの仕掛けが、体重グラフ。1目盛り0.1kgで毎日記録し、増えた日には「言い訳欄」に理由を書く。自分の行動と体重の関係に、自分で気づく。この習慣が、生活を修正する力になります。
結果、足のむくみと疲れが軽くなり、体重も自然に落ちていきました。
6つのタイプそれぞれの処方、症例で選んだ処方とその理由、体重グラフの作り方。その具体的な中身は、講義の中でお伝えしています。
🌿 講義の中身が気になった方へ
💬 受講生の声――「漢方は、おまけ」
講義後のアンケートに寄せられた声をご紹介します。
「漢方はおまけ」に、驚いた
「漢方はおまけ!という考え方も驚きました。考えてみればダイエットしたい気持ちとダイエットの必然性のズレがあることもあるのですね。漢方はおまけでも、伴走して気持ちを受け止めてもらって頑張れるのだと思うととても価値のある体験になるのだろうなと感じました。」
「基本は食事や日頃の生活習慣であり、決して薬だけでどうにかしようとされてないことに、ホッとしたところもありました。ドラストでは、あまり太ってないのにダイエットの相談は多く、漢方もよくわからず防風通聖散が売れます。」
問診票だけでは、分からない
「今回の患者さま、問診票だけから受ける印象と実際に聞き取りをしてみての印象がだいぶ違って驚きました!!週末にビール3リットルは本当に驚き!!実際に話をしてみないとわからないことはたくさんあるのですね。」
「養生の大切さに気付きました。患者さんの不調だけに焦点を当ててしまうと大切なことを見落としてしまいますね。」
体重グラフの「言い訳欄」
「体重グラフ、大変学びになります。自分の行動と体重変化を言い訳もありながら、可視化することで、修正する力をつけるって凄く大切だと思いました。」
「また体重グラフに言い訳欄があるのはとてもいいなと思いました。」
🌱 中医学を、あなたの強みに
「飲むだけでは痩せません」で終わらせるか。「まず、水とビールの話をしましょう」と踏み込めるか。ダイエット相談の価値は、そこで決まります。
「痩せたい」と打ち明けてくれた人の、生活まるごとに向き合えたら。肥満の6タイプと養生の考え方は、その力をくれる学びです。
薬剤師・登録販売者として、「中医学をもっと知りたい」「中医学を仕事にしたい」。そう思ったら、まずはお気軽にご相談ください。中医学キャリアスキルラボでは、理論だけでなく、実際の相談を題材にした症例検討の講義も開いています。あなたに合った学び方を、一緒に考えます✨
🌿 まずは、動画を見てみるだけでも。
視聴は無料です。入会を決めていなくても、お気軽にどうぞ。
※本記事は講座内容の紹介です。特定の治療法や商品を推奨するものではありません。症例は個人が特定されないよう要約しています。